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i-dio PhoneでV-Lowマルチメディア放送を試す

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無料モニターのWi-Fiチューナー編に続いて、今回はV-Lowチューナーをスマホに搭載しているi-dio Phoneで視聴を試した様子をご紹介します。このスマホは Covia製でAndroid 5.0を搭載したQualcomm(MSM8916)ベースのプレーンなスマートフォン(仕様はVAIO Phoneと類似)に、V-Lowと、地デジ放送(ワンセグ)が受信できるチューナーとアンテナを内蔵した製品です。現時点の価格は17,180円まで下がり、値ごろ感があります。

 

i-dio Phoneはチューナーを標準搭載しているので、Wi-Fiチューナーのような事前の設定は必要なく、i-dioアプリを起動するだけで、すぐに視聴開始できます。ただしi-dio  PhoneでもV-Low帯(90~108Mhz)の電波を屋内で受信することは難しいケースが多く、屋外か窓際で行う必要があります。

 

アプリはWi-FiチューナーのAndroid版と共通で、プリインストールされており、それをPlaystoreから常に最新版に更新して使う仕組みで、現時点の最新版が1.0.4です。アプリが共通であり、起動時にi-dio Phoneか判別し、そうであれば内蔵チューナーで動作するため、Wi-Fiチューナーを選択することができません。前述の通り、V-Low放送を屋内で受信するのは難しいため、屋内では窓際に設置したWi-Fiチューナーから受信し、屋外では内蔵チューナーで受信するという使い分けができないのが残念です。バージョンアップで、アプリで選択できるようになるのが望まれます。

 

play.google.com

操作方法

2段目のメニューをフリックしながら、目的のチャンネル名をタップすると選局されます。チューニングとバッファリングに時間がかかり、チャンネル切り替えはスムーズとは言えません。バッファリングが長い割には音声が途切れ易いようです。

左上のアイコンををタップすると音量ボリュームと電界強度を示すアンテナピクトが表示されます。 

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下記は音量ボリュームとアンテナピクト(3本)表示された様子です。i-dioアプリは、Wi-Fiチューナー用のAndroid版と同じなため、音量が小さいです。

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選局時に圏外になると失敗し、下記の表記にエラーなります。この場合は圏内に戻てリトライをタップしなければ、再度選局しません。選局時でなければ、圏内に戻ると自動で再生が開始されます。ラジオの動作として、選局失敗でダイヤログを表示して止まるのは仕様として不適当でしょう。

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 受信感度

下記の2つの周波数帯を共通のチューナーでサポートしているためか、ワンセグの受信感度はガラケーに比較すると若干劣る*1ようですが、どちらの放送波の受信も屋内では内蔵アンテナでは難しいことが多く、屋外か、もしくは窓際は前提です。

UHF-Low(地上波デジタル) 470Mhz~578Mhz

V-Low(マルチメディア放送) 90~108Mhz

 *1 ガラケー(ガラパゴス)時代は国産メーカーが隆盛で個々の製品がよく作り込まれており、性能が高かったが、スマホの普及と共に撤退してしまった残念な状況です。

 

PlaystoreやAmazonサイトで、全く受信できないというレビューがよく見受けられますが、V-Lowの受信にはFM放送や旧アナログテレビ放送と同等な受信環境が必要であり、i-dio Phoneの内蔵アンテナで屋内で受信できることは稀であり、少なくとも窓際近くで、指向性も意識しながら調整する必要があります。視聴には窓際や屋外など電波が受信できる場所で、アンテナを最大限に伸ばしておこなってください。Wi-Fiチューナーと比べるとi-dio phoneのほうが感度はよく、同じ受信環境でアプリが表示するアンテナピクトの数で1本ほどの優位差があります。但しi-dio phoneもWi-Fiチューナーも、microUSBケーブルから給電中は受信性能が落ちるようです。どちらもバッテリーを内蔵しているので、受信状況が芳しくない場合は、ケーブルを外してお試しください。

i-dioアプリを終了させる方法

i-dioアプリを終了させるには二通りの方法があります。視聴中にAndroidのナビゲーションバーの「戻る」をタップすると、完全にアプリケーションを終了し、ハードリソースが解放されるため、その後ワンセグアプリは利用できます。「ホーム」キーをタップして」終了させると、バックグランド動作になり音声の再生が継続され、このままではワンセグアプリによるTV視聴ができません。ワンセグに切り替えるためには、i-dioアプリを終了させる必要があります。

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まとめ

i-dio Phone自身はワンセグチューナー機能搭載など、凡庸なSIMフリースマホの中では特徴のある製品です。i-dio放送は、Wi-Fiチューナーと共通のアプリの完成度(仕様、性能、信頼性、UIと操作性)が不十分なことで、サービス性を落としており、早急な改善が望まれます。同時期にスタートして評判のAbeme TVがIP通信であれだけの完成度であるのに対して、i-dioサービスの普及には、このアプリの完成度がボトルネックになっているようです。

仕様

i-dio Phoneでは、屋外や窓際では内蔵チューナーでそのまま受信し、自宅(屋内)での利用時はWi-Fiチューナーを窓際に常設しておくという使い分けが便利だが、i-dioアプリではチューナーの切り替えができない

性能

バッファリング処理が最適でなく、チャンネル切り替えに時間がかかる一方、音声が途切れ易い

信頼性

アプリがダウンしたり、再起動しないとチューニングできないことがある

UIと操作性

メニューや画面構成がよくないので、軽快な操作ができない

再生時の音量ボリュームが適切でない

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