スマコト

SIMフリースマートフォンについてのいろいろなコト

UPQ Phone A01とは?

UPQという突然現れたベンチャー企業のスマートフォンが注目を集めているので、どういう素性のものか少し調べてみました。最近は、こういう際物(キワモノ)は少なくなったので、久々に素材(ネタ)としては面白いです。発表当初は8月28日でしたが、初ロット完売との理由で出荷は9月末に延期されています。遅延の理由や、技適や対応バンド対応問題で取沙汰されていますが、実際のところを読み解きます。実体は深圳のGWI社のOEM製品と思われています。

UPQ Phone A01

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UPQ社の公式サイト

upq.me

Shenzhen GWI Technology D45

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http://gwi-tech.en.made-in-china.com/custom-detail/QQmxJxnKeEdExmQExQndGJUQ/4G-5-AMOLED-HD-Quad-Core-Mobile-Phone.html

仕様比較

左列がUPQの公開されている仕様で、発表後に修正された最新のものです。

右列はGWI社が公開しているいるグローバル向け仕様で、これを単純に日本語に訳して作成されたのがUPQ A01の仕様です。そもそもGWI社の仕様はいい加減で、11a対応(Wi-Fi 5Ghz)と間違って記載されているため、UPQのほうも当初は11a対応となっていましたが、その後ユーザーの指摘により修正されました。

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日本向け周波数対応

ドコモのLTEクワッドバンドを意識したLTE 4バンド対応と唱っていますが、最後がB21ではなくB28です。B28は本格運用前の新しいバンドなので、これは何かの間違いでしょう。他国向けのB28対応が、そのまま日本で動作する可能性は少ないです。

3Gの対応バンドがB1/19とあり、B6の記載がないことから、実際はほとんどLTEへ再編されているB19だけの対応となるため、実際はFOMAプラス(800Mhz)に接続できないと取沙汰されており、その可能性は残ります。

技適

さすがに秋葉原の輸入ショップのように平気で技適未取得品を販売することはないと思いますが、この中国メーカーも日本向けの経験はなさそうなので、多少心配です。これが出荷の延期の原因かもしれません。

MediaTek MT6735

MediaTekのSOCは3Gではローエンドスマホを中心に広く使われていますが、日本向けでLTE対応は実績がなくこれが初となります。これまでに出荷されているLTE対応スマートフォンは、すべてQualcommベースです。この点も遅れの要因として考えられます。

MT6735のチップのカタログ周波数上限は1.5Ghzとありますが、実際に出荷されているのは1.3Ghzが上限のようです。これは出荷時までに修正されるかもしれません。

Shenzhen GWI Technology E5

ついでにここで見つけたE5が、FREETEL MIYABI(雅)の仕様に近似しているのに気がつきました。MIYABIは2G/32GBにメモリを増量している以外は、類似点が多いです。FREETELのOEM元はGWI社ではなく、概ねBVT社なのでMediaTek社からの共通の設計を元に製造されている製品かもしれません。この推定が正しければ、MIYABIはUPQ A01と同じMediaTekプラットフォームで、LCDやカメラなどの部品を増強したものということになり、UPQと同様の懸念を抱えていることになります。

但しMIYABIは公開されている情報が少ないため、現時点ではMIYABIはQualcommの可能性も残りますのでご了承ください。

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E5 仕様(FREETEL MIYABIに似ている)

Android 5.1
5" AMOLED HD 1280*720
MTK6735P (Quad-Core) 1.5GHz
Capacitive Touch 
Dual-sim cards,dual standby
WiFi/BT/FM/GPS
Front camera:5MP
Rear camera:13MP
2200mAh Rechargeable Ploymer-Lithium Battery
1GB RAM+8GB ROM
G-sensor
Proximity sensor
Light sensor