前回に続いてUPQ Phone A01のレビューをご報告します。前回の技適表記が、ラベルの印刷ミスであり、すぐに全数回収のお知らせが出るなど、ジェットコースターのようなめまぐるしい展開です。製品の仕上がりは良いのですが、やはり技術力の実体のなさから、何点か問題があります。
技適誤表記により全数回収
既報のとおり、出荷したとたんの回収となったようです。正しく申請していたのに、このような単純な、しかしながら重要な表記ミスは、とても勿体無いことです。修正したラベルを送ればいいのではと考えがちですが、電波法・事業法はそんなに甘く無く、全数回収は避けられません。
4G接続
昨日は繋がらなかった4Gの接続は可能でした。トップバーの表記に接続する前に3Gか4Gの表記がすぐに現れ、実際に接続するとその右に3G/4Gと小さく表示されるという多少かわった表示方法です。
対応バンド
大方の懸念通り、W-CDMAの800Mhz(FOMAプラスエリア)の接続ができませんでした。公式サイトで公開されている通り、UPQの800Mhz帯対応はW-CDMAとLTE共にBand 19のみのため、LTEでは800Mhzに接続されデータ通信ができますが、W-CDMAでは2100Mhzのみとなり、音声通話のカバーエリアに制限があります。W-CDMAはBand 6が800Mhz帯で、残念ながらこれに非対応です。これからBand 6に対応するには、また技適の再審査となり、難しいと思われます。
Android 5.1
5.1搭載機でありながら、LCD表示部外に印刷されたボタンが4.x以前のもので、さらに戻るキーが右であること、メニューキーを押したときの表示が下記ののようであることなど、Android 5.1の操作感を損なってる点があります。
電子コンパス
非搭載です。
GPS及びA-GPS
A-GPSでの事前の衛星情報取得と実際の測位性能に問題なく良好です。
Antutu CPUスコア
MT6735を64bit版OSで動作させているため、MSM8916の32版を凌駕する好スコアです。ローコストスマホとして申し分のない性能です。MSM8916は64-bit CPUではありますが、Qualcommの方針からか、32bit版OSでの運用となっています。
ストレージ
パーテションの分割には問題なく、一個のストレージとして扱えますが、合計容量が4.55GBと少なめなのは、64bit版OSだからかもしれません。
タッチパネル
タッチパネルが制限付きの2点式で、使用に制限があります。その制限はFLEAZ F4s/F4s+と同じく、水平に並んだ2点をタッチすると、その中間の1点のみが認識される旧タイプです。ピンボールなどのゲームや、Google Earthで2点を指示して回転させる動作に制限がありますが、それ以外はあまり問題ではありません。
水平でない場合は、2点を同時に認識可能
水平に並ぶと1点しか認識しない
CPUクロック
公開されている仕様ではクワッドコア1.5Ghzとなっていますが、UPQに搭載されているMT6735は、一般に1.5Ghz品の出荷がないことから疑問視していました。
公式サイト
CPU-Z解析情報
これによると、やはり動作周波数は1.3Ghzでした。
まとめ
ここまでで問題は技適の表記、CPUの最大クロックの誤情報、FOMAプラス非対応といったところで、タッチパネルは操作性の制限で、それ以外は問題ありません。