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スマコト

SIMフリースマートフォンについてのいろいろなコト

i-dio Wi-Fiチューナー(Android編)

NEXUS5

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はじめに

i-dio(アイディオ)は、アナログテレビの放送が終了した後のVHF-Low帯の電波を用いたデジタル放送(V-Lowマルチメディア放送)であり、エフエム東京の100%子会社のV-Lowマルチメディア放送を推進しているVIP社が、V-Lowマルチメディア放送における特定基地局認定を受けて行っている新しい放送サービスです。

2016年3月に福岡・東京・大阪から放送が開始され、それに合わせてWi-Fiチューナーが無料モニターとして配布されていましたが、第2期の4月末で一旦終了となり、14,800円(税抜)にて5/13より販売されています。(いまだ商品レベルには達していると思えないですが)

 

地上波最高音質とするAAC形式/320kbpsで放送し、2017年にはHDS「96kHz」音源にも対応予定のTS ONEをはじめとして、新しい放送サービスとしてのポテンシャルはあるのですが、残念ながら完成度が十分でないため、モニターでのレビュー結果は散々な状況です。Wi-Fiチューナーはこれまで無料モニターだけだったので、ユーザーのレビューはPlaystoreのi-dioアプリに集中しており、大多数が最低評価の星一つです。AppleのApp Storeのレビュー数は少ないですが、同様にほとんどが星一つです。

 

受信環境を整えるのにのある程度の知見が必要なのに対し、解説が不十分なので、実体以上に低い評価になっています。ここではその一助となるべく、利用時の注意点をまとめてみました。リリース時はアプリの完成度がさらに低く悲惨な状態でしたが、現時点の最新版1.0.4でAndroidでの利用であれば、ある程度安定した運用は可能です。しかしWi-Fiチューナーのファームウェアも、スマホのアプリも依然として完成度は十分とは言えず、コンテンツの充実と共に、今後の改善が求められます。

この記事内容はNexus 5X(Android 6.0.1)、V-LOWアプリは現時点の最新版(1.0.4)で確認を行ったものです。

Wi-Fiチューナーの理想的な利用法

このWi-Fiチューナー(日本アンテナ製)はバッテリー内蔵のV-LOWチューナーであり、放送波を受信し、それをWi-Fiで吹き直すことで、V-LOWチューナーが搭載されていない一般のスマホで、V-LOW放送の視聴を可能にするものです。V-LOW放送は従来のFM放送や旧アナログテレビ放送と同様の周波数帯が使われているため、一般的には屋内での直接受信は困難です。このためWi-Fiチューナーを窓際に設置するか、外部アンテナを有線で接続し、その受信した放送波をWi-Fiに変換することで、スマホで屋内での受信を可能にします。日常的にこの状態で常設しておけば、スマホからいつでも視聴ができます。さらにバッテリー内蔵のため、緊急時に停電になった場合でもWi-Fi Directのため視聴が可能です。(Androidのみ) 

 

外出時の利用ももちろん可能ですが、利便性には優れないため、外出時よりも屋内での利用がメインになると思われます。外出時の視聴については、i-dio phoneを使うケースを次回以降でご紹介予定です。

屋内での視聴(理想的)

窓際で付属のロッドアンテナを伸ばし、外部電源を接続し常時稼働する。

(ロッドアンテナで受信感度が十分でない場合は、外付けアンテナを接続)

スマホとWi-Fi Directで接続し、同時にWi-Fiでのインターネットアクセスも同時に確保する。

スマホはWi-Fiの到達圏内では、屋内を自由に移動して視聴できる。

視聴開始の度に、Wi-Fiチューナーの操作(ON/OFF)が必要ない。

スマホはBluetoothスピーカーとペアリングし、高音質なスピーカーで視聴する。

外出時の視聴

Wi-Fiチューナーを十分充電して、スマホと共に持ち歩き、視聴には鞄から取り出して、ロッドアンテナを伸ばし、Wi-Fi接続して視聴を開始するというのは煩雑であり、実用性が低い。

各項目での注意点

Wi-FiチューナーはV-LOW放送を受信したものを、Wi-Fiで吹き直す構成のため、潜在的に問題が起きやすい点が複数あり、上記の理想的な利用環境を実現するのに、各項目で注意事項があります。すべての機能が正常に動作すると、安定的に視聴することができます。

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               図. Wi-Fiチューナーのシステム構成

 

1. V-LOWチューナーで受信 

V-LOWの周波数帯は、地上アナログテレビ放送停波後のVHF、つまり旧1〜3チャンネルが使われており、ここはFM放送に近接した周波数帯です。つまりFM放送や旧アナログテレビ放送が受信できる程度の受信環境を整えることが必要です。

Wi-Fiチューナー内蔵の本体ロッドアンテナだけで受信できる場合もありますが、場所によっては電波が弱く、雑音(ノイズ)やアンテナ指向性などの問題から、安定した受信ができないことがあり、結果としてアプリ上では、受信ができないという表示になります。ノイズにより受信に影響があると、音や映像が途切れます。

対策方法

WI-Fiチューナーの設置場所、アンテナの向きに留意し、十分に受信できない場合は、外部アンテナを利用します。

FM放送との比較

日本ではテレビが先行して使っていたVHFローバンドが、この度FM陣営に晴れて返却された格好です。

日本以外 88~108Mhz

日本 76~90Mhz(90~108Mhzの18MhzがVHFローバンド)

  

2. Wi-Fiでスマホへ伝送

V-LOWチューナーでの受信したストリームは、2.4Ghz帯のWi-Fiを使ってスマホへ伝送します。屋内では2.4Ghzは干渉や到達距離の問題があり、パケットロスや接続が遮断されることがあります。iOSとAndroidで接続方法が異なり、モード切替による二者択一で、併用はできません。

Wi-Fi Direct(Android)

Androidで使う場合は、Wi-Fiチューナー側で、Wi-Fi Directモードを選択します。Wi-FiチューナーがOFFの状態(LEDが消灯)で、短く電源ボタンをワンプッシュすると、Wi-Fi Directのモードになり、LEDが緑点灯になります。V-Lowアプリで、Wi-Fiチューナーが接続されていない場合に、下記の設定画面が表示されます。

iOSで使う場合は、さらに不安定で別な制約事項があります。これは次回ご紹介いたします。

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V-LOWチューナーとスマホがWi-Fiの受信圏内にある場合に、下記のように検出されたチューナーが表示され、それを選択(タップ)すると接続されます。距離が離れすぎていたり、無線の干渉が多い場合は接続に失敗することがあります。

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Wi-Fiでスマホに伝送する場合も様々な下記の似たような症状が発生しますが、これはV-Low放送波を受信できていないか、Wi-Fi伝送に失敗しているかの二つに大きく分別され、対策はそれぞれに異なります。

音声や映像が途切れる

Now Tuning !のまま停止

「選局失敗」....など

Androidアプリ特有の問題で、最新版1.0.4でも音声ボリュームが低めで聞き取りにくいです。(iOS版は特に問題ない)

 

対策方法

放送波の受信不良の対策は前項の「V-Lowチューナーでの受信」を参照してください。

スマホとV-LOWチューナーの距離が近いと切れにくいので、最初は近くで試してください。

利用中になんらかの理由でWi-Fi Directが切断された場合、選択メニューへ戻れないため、アプリを強制終了させなければなりません。手操作によりアプリを再起動してください。

一定期間スマホへの伝送が行われないと、WI-Fiチューナーは、USB給電されていても、自動で電源OFFになるため、再接続するには、Wi-Fiチューナーの場所に戻って、電源ONする必要があります。遠隔操作ではONにはできないため、再度起動操作を行い、LEDが緑点灯になっていることを常に確認してください。

3. Wi-Fiチューナー本体の課題

当初は充電中は利用できない制限があったようですが、改善されているようです。不思議なのはファームウェアアップデートの手順が不明で、自動でアップデートされるのかもしれません。

バッテリーでの動作中に比べて、充電中の動作が不安定な感じがします。これは電源ノイズが受信の感度を下げている可能性があります。Wi-Fiチューナーは特に常設して使うため、充電中はより受信感度を確保できる環境にする必要があります。

4. スマホとi-dioアプリ

アプリは最新版1.0.4でも不安定さが残っており、終了してしまうことがあります。再度起動することで利用再開できます。この他にもアプリの完成度(安定性や操作性)には大きな改善余地があります。

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5. アクセサリー

Androidアプリの音量が小さいこともありますが、より高音質で楽しむために、Bluetoothスピーカーとの連動が良いです。Bluetoothペアリングをすると、V-LOW受信、Wi-Fi Directに加えて、3つの無線通信で動作することになりますが、ここまでの設定がうまくいっていれば、安定して視聴できます。

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6. ブラウザー

V-LOW放送はアナログテレビの3チャンネル分(地デジ放送の3チャンネルに相当)を、42チャンネルに分割して使っているそうですが、そうすると1チャンネルは1セグよりも少ない帯域となります。画面はガラケー時代を彷彿とさせる貧相な構成で、利用されているシステム(ブラウザー)は不明ですが、IP放送でありながら、同時期にスタートしたAbebaTVとの差があまり顕著で、ここは大幅な改善が求められます。現状は動画コンテンツも紙芝居に音声の鷹の爪団的なものに限定されています。逆説的に言うと、鷹の爪団は現状のV-LOW放送には最適なコンテンツです。

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まとめ

Wi-Fiチューナーは、Playstoreなどでは低評価ですが正しく設定できれば、安定して使えます。i-dioの放送コンテンツ(音声)は、いわゆるエフエム東京のクオリティーレベルであり、その価値は担保されていますが、新しいメディアとしての修練度はまだこれからです。前出のようにAbemaTVがIP放送で、これが無料でありながら、圧倒的な帯域確保と安定性が実現されており、放送波を使うV-Lowをはるかに凌駕しています。

i-dioのサービス自身は無料であり、これまではWi-Fiチューナーも無料配布されていたので手軽に試せました。これからの本格普及には様々な改善が求められるでしょう。基本機能としては、まず下記が修正されると利便性が向上すると思います。

- Wi-Fiチューナーで充電しながら動作している場合には、自動でスタンバイ(電源OFF)にならないようにする

- Androidアプリで、Wi-Fi Directが切断された場合に、設定画面から再設定可能にする

- Androidアプリの音量ボリュームを適正にする

AbemaTV

V-Lowのメリットは放送波によるブロードキャストですが、AbemeTVはIP放送でありながら、V-Low以上の番組放送を実現しています。

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abema.tv

次回以降はiOSでの利用、V-LOWチューナー搭載i-dio phoneなどをご紹介予定です。

 

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