スマコト

SIMフリースマートフォンについてのいろいろなコト

moto4G PLUS デュアルスタンバイのレビュー

待望のDSDSを実現したスマートフォンが、モトローラ・モビリティ・ジャパン社より発売開始されましたのでレビューします。

DSDSの実現

monoG4 PLUSで実現されているデュアルスタンバイはDSDS(Dual SIM Dual Standby)であり、DA(Dual Active)ではありません。このため2つのSIMでの通信が同時に行うことはできず、あくまでも同時待ち受けだけが可能で、一方のSIM側で通信(通話)が行なわれている間は、他方のSIM側はインアクティブ(停止状態)になります。DAに対応しているほうがもちろんこうした制約は少ないのですが、その反面回路規模が増大することにより、コストと消費電力の影響が大きさに見合うほどのメリットはなく、このLTE/3GのDSDS対応でほとんどの要求は満たすため、DSDSの実現が待望されていました。motoG4 PLUSはDSDSの機能実装と技適の承認を無事パスしたことになります。

技適認証

motoG4 PLUSは以下の認証マークが電子表記で表示されます。登録外国適合性評価機関であるドイツのCETECOM ICT Services GmbH により認証されています。取得内容の詳細についてはまだ公開されていません。

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デュアルSIMスロット

筐体デザインは古く、バックカバーをバリバリっと剥がして、2基のmicroSIMスロットにSIMを搭載するタイプです。nano SIMを変換するためのアダプターが予め差し込まれているので、取り去ってから挿入します。バックカバーは開きますが、ユーザーでのバッテリーパックの交換はできません。

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実際のDS動作

以下のSIM組合せで実際のDS動作を確認し、期待通りの結果を得ました。MVNOサービスの定着とともに、ここのところ製品にも新規性がなくなり退屈になってきていましたが、これにより新たな利便性の追求や、最適な料金プランの探訪など、新しいスマホの購入動機になります。ガラケーのカケホーダイSIMと格安データSIMの組合せという、日本ならではの要求がようやく実現されました。

- 音声契約SIM(ソフトバンク)+MVNO格安データSIM(ドコモ系)

- MVNO格安音声付きSIM(ドコモ系)+MVNO格安音声付きSIM(ドコモ系)

 

1. 両方の音声通話電話番号(3G)に常に着信が可能

2. 音声通話をしている間は、逆側のデータ通信は受けられないので、Lineの着信を含む通知は、音声通話が終了するまでは届かない

3. 音声通話をしている場合に、逆側の電話番号にかけると、「電波の届かないところにあるか、電源が入っていないためかかりません」のメッセージが流れ、通話中は他方のSIMに対しては電源を切っている状態と同じになる

4. Lineで通話(音声、ビデオ) している場合には、両方の電話番号に着信が可能

設定方法

2枚のSIMを挿入すると、以下のように認識され、それぞれAPNをセットアップし、どちらのSIMでデータ通信を行うかなどの優先設定をすることで利用できるようになります。難しいことはないのですが、DSDSの機能と制約を理解していないと、多少わかりにくい部分があります。

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モバイルネットワークの設定

左右に挿入されているSIMが表示され、タブを切り替えて、それぞれにAPN設定を行います。

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デュアルSIMをセットアップ

以下の自動セットアップがありますが、分かりにくいので、これにはとらわれず、個々に項目を手動で確認したほうが良さそうです。

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以下は自分の利用形態にあったプロファイルを選ぶようにガイドしていると思われますが、実際の動作はよくわかりません。(翻訳も変だし)

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SIM毎に連絡先を分けることができるようですが、あまり必要ないのでパスします。

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一応、準備が終了しますが、設定は個々に確認すべきです。特に音声SIMで意図しないデータ通信が発生しないかなどは、多額の料金発生につながるため要注意です。

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単体販売とMVNO

以下の2種類のモデルがありますが、現時点では単体販売の家電量販店もamazonも高い方の32GBモデルしかなく、16GBモデルはMVNO専用とされているかのようです。

16GBモデル 32,800円(税別)

32GBモデル 35,800円(税別)

プリセットAPN設定

以下のAPNだけがプリセットされており、これ以外は手動で入力しなければなりません。最近のSIMフリー機では少なめです。

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まとめ

DSDS動作は期待通りで、ASUSを筆頭に今後のSIMフリー機でも続々と対応機種が増えて選択肢が増えるのが楽しみです。moto4G PLUS自身はやはり筐体デザインが古く(フレームだけメタルのプラスチック筐体)、重量もカタログには約157gとありながら、実際は164gだったり、指紋センサーの位置や大きさは使いにくい点、高いほうのモデルしか販売していないことなどが不満点です。

ソフトバンクの音声SIMは、APN設定をしなくても、自動でデータ通信が行われることがあるため、くれぐれもデータ通信をOFFにしてお楽しみください。